確かに見た目と数値が違う。
この解析ソフトは無料配布されているフリーソフトで
この業界の人たちなら誰でも知っているソフトだ。
このソフトについての講習会も時々開かれるし
これ使いこなせたらスゴイだろうなぁ~と常々思っている。
とはいっても、なかなか使いこなせていない。
自分が使う領域だけしか、分かっていないんだよね。
それに、英語表記なのがメンドウ……(^-^;
「先生、このソフトは目的のバンドを四角く囲い、解析をしていきます。
この四角い枠は横移動できますが、平行移動しかできません。
よって少し大きめに枠を取るのですが、このようにバックグラウンドが高かったり
スメアなどがあると、それらも一緒に拾ってヒストグラムを形成してしまいます。
そうなるとヒストグラムも小さいピークと大きなピークができ
大きなピークだけを狙ってそこから面積を算出します。
キレイなバンドだけが出ていれば、ピークもシャープなものになっていますので
何ら問題はないのですが、このように薄いバンドだと
かなり苦労します」
「これらバンドを一つ一つ囲ってやる方法はないの?」
「いえ……あります。検出装置専用の解析ソフトにあります。
以前、他の課の人と意見交換した時に教えてもらったもので
試しにやってみたのですが、いつも使っているソフトでやった解析とは
違う結果になってしまったんです」
「じゃあ、一応それでやってみてよ」
「ですが……別のソフトで解析して、今までの結果とは全然違うものになってしまったら
全てが覆されてしまいます。繰り返し同じことをやって再現性を確認したのに
最後の最後で解析が全く別のものでした……となると、今までが何だったの?に
なってしまいます」
「……とりあえずさ、結果を見て整合性があるかどうか見てみよう。
それから考えよう」
「……はい。分かりました。すぐに解析を始めて午後には結果をお持ちいたします」
……あの解析ソフトかぁ~……。